公益社団法人 富岡甘楽歯科医師会


フッ素洗口(フッ化物洗口)を中心にした永久歯のむし歯予防対策           

永久歯のむし歯予防対策としては、従来の歯科保健対策の充実と同時にフッ素洗口の普及をめざしています。フッ素洗口は、昭和61年度に甘楽町立の4幼稚園で開始されました。
平成4年度に富岡市の2保育園、平成5年度には富岡市下仁田町妙義町南牧村11保育園・2幼稚園で新たに開始され、急速に普及しました。さらに、平成6年度に甘楽町の1保育園、平成7年度に富岡市の8保育園、平成8年度に富岡市の3幼稚園、平成15年度に富岡市の2幼児園で開始。
廃園によるフッ素洗口実施施設の減少もありましたが、現在、富岡甘楽地区の幼稚園・保育園・幼児園30施設中の29園でフッ素洗口が実施されています。希望者が対象ですが、実施率は96%以上です。

その結果、平成7年度以降は、甘楽郡の小学校1年生の永久歯むし歯罹患状況がむし歯経験(DMF)歯数・むし歯有病者率(DMF者率)とも郡市別で県内ので一番少なくなっています。また、平成9年度以降は富岡市も小学校1年生の永久歯のむし歯罹患状況が大幅に改善しています。 

富岡甘楽地区では、小中学校へのフッ素洗口普及が最大の課題になっています。医師会・薬剤師会の強力な支持、市町村保健担当課の積極的な協力に加え、住民の支持があるにもかかわらず、学校関係者の協力が得られず、小中学校でフッ素洗口が実施できない状況が続いています。

このような状況を背景にして、次善の策として、小中学生が「家庭で実施するフッ素洗口」を、町が予算化し支援する試みが、平成10年度から甘楽町下仁田町で始まっています。また、富岡市では学童保育所においてフッ素洗口が始まりました。

2001年、群馬県が中心になり「元気県ぐんま21」が策定されました。元気県ぐんま21では、学齢期の歯科保健の目標として、「12歳で一人平均むし歯数 1歯以下」、「フッ化物配合歯磨剤の使用者90%以上」、「フッ素洗口をしている人の割合50%以上」、「過去1年に個別的歯口清掃指導を受けた人 30%以上」という4項目の具体的な目標が掲げられています。今後は、小中学校においても、この目標にそった歯科保健対策を実施していく必要があります。








参考】日本のフッ化物洗口実施状況